終末期に「自分の希望」を伝える手段がある？
もしものとき、自分の意識がなくなっていたら——
「延命治療は希望するか？」「人工呼吸器は？」など、医療や介護の判断を家族に任せるのは、大きな負担です。
そうした場面に備えて、自分の意思を記録に残しておく手段があります。
それが「事前指示書（Advance Directive）」です。
医療・介護の希望でよくある検討項目
終活の中で考えておくべき医療・介護の希望は以下の通りです。
医療面の希望
- 延命治療を希望するか
- 人工呼吸器・点滴・胃ろうの使用
- 終末期の自宅療養 or 病院・施設での看取り
- 緩和ケアの優先
介護面の希望
- 自宅での介護を希望するか
- 有料老人ホーム・施設入居の希望
- 特定の介護者やサポートの希望
- ペットの世話など家庭環境の配慮
これらを元気なうちに書き残しておくことが、家族の判断の支えになります。
事前指示書とは？書き方と活用方法
事前指示書とは、自分が意識を失ったり判断能力がなくなったときに備えて、医療・介護の希望を文書で示すものです。
書き方のポイント：
- フリーフォーマットでOK（市販の終活ノートでも可）
- 手書き・PDF・ワード文書など形式自由
- 日付・署名・家族と共有する旨を記載
医療機関では「リビングウィル」や「ACP（アドバンス・ケア・プランニング）」として活用する場合もあります。
家族に共有してこそ意味がある
事前指示書は**「書いたら終わり」ではなく、「伝えてこそ意味がある」**文書です。
共有のポイント：
- 家族・主治医・ケアマネージャーなどに内容を話す
- コピーを複数保管し、自宅・病院両方に備えておく
- 定期的に見直し（年1回程度）
特に、きょうだい間で意見が割れたときの判断基準になるため、事前共有がカギです。
書式例（シンプルな構成でもOK）
【医療に関する希望】
・延命治療は希望しません
・最期はなるべく自宅で看取られたいです
【介護に関する希望】
・自宅介護が難しい場合は、施設入居でも構いません
・介護する家族の負担を最小限にしてほしいです
本人署名：○○○○
作成日：20XX年○月○日
