「おひとりさま」の終活:親族がいない場合の備え方


おひとりさまでも「終活」はできる

高齢化と単身世帯の増加により、「おひとりさま」で終活を考える人が増えています。
身寄りがない、または頼れる親族がいない場合でも、必要な準備をしておくことで、安心して最期を迎えることが可能です。


備えておくべき4つのポイント

おひとりさまの終活で重要なのは、「誰に・何を・どう託すか」を事前に明確にしておくことです。

  1. 身元保証(入院・施設入居)
    • 入院や老人ホーム入居の際に身元保証人が求められるケースが多く、親族がいない場合はNPO法人や民間の保証サービスを活用します。
  2. 死後事務の委任
    • 死亡届、公共料金の解約、火葬・納骨など、死後の手続きを行う人を生前に決めておく必要があります。
    • 「死後事務委任契約」を行政書士や司法書士と結んでおくのが一般的です。
  3. 遺言書の作成
    • 財産の行き先や寄付の希望がある場合、法的効力を持つ遺言書の作成が重要。
    • 公正証書遺言をおすすめします。
  4. エンディングノート・医療の希望記載
    • 延命治療や介護の方針など、家族がいないからこそ**「文書にしておく」ことでトラブル回避に**つながります。

相談できる相手・使える制度は?

おひとりさまの終活では、公的な支援や民間サービスを積極的に活用することがカギになります。

内容相談先・支援サービス
身元保証民間保証会社/NPO法人/地域包括支援センター
死後事務行政書士/司法書士
財産管理任意後見制度(家庭裁判所で選任)
終活全体終活カウンセラー/地域の福祉窓口など

何から始めればいい?

「難しそう」「誰に頼めば…」と悩む場合は、以下のステップで始めるとスムーズです。

  1. 自分の財産・希望を書き出す(ノート/アプリなど)
  2. 自治体や地域包括支援センターで相談してみる
  3. 信頼できる専門家を探して契約準備へ
  4. 内容を定期的に見直す(2年に1回など)

特に60代以上であれば、「元気なうちに一度書いてみる」が最大の安心につながります。


誰かに迷惑をかけたくないからこそ、準備を

「自分一人だから何もしなくていい」ではなく、自分一人だからこそ、準備しておく意味が大きいのが終活です。

エンディングノート・委任契約・遺言書などを残しておくことで、
もしものとき、施設・行政・支援者がスムーズに動くことができます。