ペットと共に迎える最期の日々 終活で考えるべきこと


ペットは大切な家族 ― 終活で向き合うべき存在

高齢者の中には、ペットと二人三脚で生活をしている方も多く見られます。子どもが独立したり、配偶者を亡くしたりしたあと、犬や猫などの動物は大きな癒しと支えを与えてくれます。
しかし、ペットも人と同じ命ある存在。自分にもしものことがあったとき、その子たちの行く末をきちんと考えておくことは、今を共に生きる者としての責任でもあります。


万が一のとき、ペットはどうなる?

ペットを飼っている方が亡くなった際、家族が引き取ってくれる場合もあれば、そうでないケースも少なくありません。「飼える環境ではない」「動物アレルギーがある」「高齢で面倒を見られない」など、さまざまな理由で引き取りが難航することがあります。
最悪の場合、ペットが行き場を失い、保健所に送られるケースもゼロではありません。
このような事態を避けるためにも、終活の一環として「ペットのその後」について考えておくことが大切です。


信頼できる「引き取り先」を事前に決める

理想的なのは、家族や親しい友人などにペットを託すこと。元気なうちに相談し、引き取りの意思を確認しておきましょう。難しい場合は、ペット専門の信託制度や動物愛護団体と契約を結ぶという選択肢もあります。
また、終活サポート業者の中には「ペットの引き取り先相談」を提供しているところも増えています。万が一のときに備え、情報収集をしておくと安心です。


エンディングノートにペット情報を書き残す

エンディングノートには、ペットの名前、年齢、性格、かかりつけの病院、食べ物の好みなど、細かな情報を書いておくことが重要です。
もし突然の入院や事故があっても、周囲の人がすぐに対応できるようになります。ペットの写真を添えると、より分かりやすく、思いやりのある情報共有になります。


ペットと最期まで安心して暮らすために

自分の死後のことを考えるのは、決してネガティブなことではありません。
むしろ、大切な存在を残していくうえで「何が最善か」を考える、前向きな行動です。
元気な今だからこそ、家族や知人とペットの将来について話し合い、エンディングノートを整えていくことが、安心した毎日につながります。
大切なペットとの穏やかな日々を守るために、今できることから始めてみましょう。