生前整理と遺品整理、似ているようで目的が違う

「生前整理と遺品整理って、結局どっちも“身の回りの整理”でしょ?」
そう思われがちですが、実はこの2つには大きな違いがあります。
どちらも持ち物を整理する点では似ていますが、
- 生前整理は「自分が元気なうちに進める準備」
- 遺品整理は「亡くなった後に遺族が進める作業」
と、目的・タイミング・進める人が異なるのです。
違いを知っておくことで、自分も家族もより安心して備えることができます。
生前整理とは?自分のため、家族のための「今できる終活」

生前整理は、自分が元気なうちに身の回りの物や財産を整理しておくこと。
いわば「人生の棚卸し」です。
✅ こんなメリットがあります
- 不要な物を手放すことで暮らしが快適に
- 認知症や病気になったときの備えになる
- 家族に「何がどこにあるのか」を伝えておける
- 思い出の品を自分の意思で形見分けできる
整理する対象は、洋服や家具といった日用品だけでなく、
通帳・不動産・保険証券などの重要書類も含まれます。
最近では「エンディングノート」に整理内容を記録しておく人も増えています。
遺品整理とは?遺族が進める「最後の片付け」

遺品整理は、亡くなった方の持ち物を整理し、処分や保管、形見分けを行う作業です。
主にご家族やご遺族が行います。
⚠️ 特徴と大変さ
- 大量の荷物と向き合う必要がある
- 気持ちの整理が追いつかないまま片付けを進めることも
- 相続・不動産売却など、法律や手続きが絡むケースもある
- 「捨てていいもの・残すもの」の判断が難しい
思い出が詰まった品と向き合いながら、感情的な負担が大きいのが遺品整理の特徴です。
また、家が遠方にある、相続人が少ないといった事情で、専門業者に依頼する方も増えています。
違いをまとめて比較してみましょう

項目 | 生前整理 | 遺品整理 |
---|---|---|
実施のタイミング | 生きているうち | 死後 |
実施する人 | 自分自身 | 家族や遺族 |
主な目的 | 生活の見直し・終活 | 整理・供養・相続準備 |
関わる手続き | エンディングノート、形見分け | 相続、役所手続き、供養など |
まとめ|「残す整理」は、自分でできる今のうちに

遺品整理は、家族にとって精神的にも体力的にも大きな負担になります。
その負担を減らすためにも、**元気なうちにできる「生前整理」**がとても大切です。
「まだ元気だから大丈夫」と思っている今こそが始めどき。
時間をかけて少しずつ整理していくことで、心の準備も整っていきます。
誰かのために、そして自分のために。
小さな一歩から、「生前整理」を始めてみませんか?