死後事務委任契約を選んだ理由とは?70代女性の体験談


家族がいない私にとって「死後の心配」は現実でした

私は70代の一人暮らしです。若い頃に結婚しましたが子どもはおらず、数年前に夫を亡くしました。兄弟とも疎遠になっており、「もし私が突然倒れたら、誰が手続きしてくれるのだろう…」と考えるようになったのがきっかけです。
身近な人に頼れないという不安は年々大きくなっていき、夜眠れない日もありました。


新聞で見かけた「死後事務委任契約」という言葉

ある日、地域の新聞に「死後事務委任契約」という言葉を見かけました。
最初は「何それ?」という感じでしたが、調べるうちに「これなら私でも備えができるかもしれない」と思うようになりました。
葬儀や遺品整理、役所の手続きなど、死後に必要なことをあらかじめ第三者に依頼できる制度です。
行政書士さんに相談してみたところ、とても親切に対応してくださり、そのまま契約を進めることにしました。


契約の流れと費用について

契約には印鑑証明や住民票などの書類が必要でしたが、行政書士の方が丁寧に教えてくれたので迷うことはありませんでした。
費用は、事務手数料や預託金込みで約20万円ほど。決して安くはありませんが、「自分の最後を自分で決めるためのお金」と思えば納得できました。
実際に契約書を交わしたときは、肩の荷がスッと軽くなったような気持ちになりました。


契約後の心の変化「安心感はお金に代えられない」

契約を結んだことで、以前のように夜に不安で眠れないことはなくなりました。
エンディングノートも見直して、自分の希望をしっかり書き残すようになりました。
「これで、誰かに迷惑をかけずに最期を迎えられる」と思えるだけで、心がとても落ち着きました。


同じような不安を持つ人に伝えたいこと

死後事務委任契約はまだあまり知られていませんが、私のように「身寄りがない」「子どもに迷惑をかけたくない」と思っている方には、とても心強い仕組みです。
行政書士や信頼できる専門家に相談するだけでも、気持ちが前向きになります。
「老後の不安」を減らす一歩として、ぜひ知ってもらえたら嬉しいです。