兄弟・友人に保証を頼む人が増えている背景
少子化や単身世帯の増加で、子どもや配偶者以外に身元保証を頼まざるを得ない人が増えています。
中でも「兄弟」「長年の友人」などに依頼するケースは非常に多くなっていますが、関係性が近いからこそのリスクや負担も無視できません。
兄弟・友人に頼む際の主なリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 精神的負担 | 「自分が何かあったとき」に呼び出される可能性がある |
| 経済的負担 | 医療費の建て替えや施設費の支払い依頼が発生するケースも |
| 法的トラブル | 契約内容を把握していないと、思わぬ責任を問われる可能性 |
| 関係性悪化 | 突然の依頼で断られたり、後々トラブルになることも |
「形式的な保証」として依頼しても、実際はかなりの責任と負担がかかる可能性があります。
依頼時にやっておくべきこと
正確な説明をする
- 「何を保証してもらうのか」「どこまで責任があるのか」を明示する
- 契約書のコピーを見せるなどして、後々のトラブルを避ける
負担にならないよう工夫する
- 医療費・施設費などの支払いは別の人／制度でカバーできるよう整える
- 死後事務は別に契約しておくと、保証人への負担が軽減できる
断られても関係が壊れない伝え方をする
- 「お願いできれば心強いけれど、無理なら別の方法も考えている」など、
相手を追い詰めない声かけが重要
実際に起きたトラブル事例
- 【事例1】病院の保証人を頼んだ兄に、高額な医療費の請求が届いて揉めた
- 【事例2】施設入居後、死亡時の対応を任された友人が困惑し、行政に相談
- 【事例3】断られたことで兄弟仲が決裂。「家族なのに冷たい」と言われ関係悪化
よくある誤解：「保証人＝支払義務者ではない」は基本だが、契約次第で責任が発生することも。
どうしても頼れないときの代替案
- 民間の身元保証サービスを使う
- 高齢者支援NPO、身元保証協会などが代行可能
- 入院／入居／死後事務も一括対応のプランも
- 死後事務委任契約を結ぶ
- 死後の連絡や支払いなどを法的に託せる
- 任意後見制度の利用
- 認知症や判断力低下に備えて事前に後見人を指定
これらを併用することで、兄弟や友人には“連絡先”程度の役割で済むケースも可能になります。
