定年後のひとり暮らし。元気だけど、ふとよぎった不安

私は今年で83歳になります。
妻に先立たれ、今は千葉で一人暮らし。特に病気もなく、散歩や畑仕事をして毎日を過ごしていましたが、あるときテレビで「終活」の話題を見て、ハッとしました。
「このまま自分に何かあったら、息子たちが困るんじゃないか?」
気になり始めると、夜に眠れなくなる日もありました。
「終活なんて縁起でもない」と思っていたけれど…

最初は、終活という言葉自体に抵抗がありました。
でも、たまたま市役所で「終活ガイドブック無料配布中」というチラシを見つけ、なんとなく手に取ったのがきっかけでした。
読んでみると、難しいことは書いておらず、「家の中の物の整理」や「保険の確認」「連絡先の一覧」など、少しずつでも自分にできることばかりでした。
子どもに伝えておきたかった“自分の希望”

その日の夜、東京に住む長男に電話をかけて「終活を始めたい」と伝えました。
最初は驚かれましたが、「自分の意思で準備を始めてくれてうれしい」と言ってくれたのが印象的でした。
そこからは、「通帳と保険の場所」「延命治療は望まないこと」「墓は家族と一緒でいいこと」など、少しずつ伝えるようにしました。
やってよかった。心が軽くなった理由

終活というと寂しい話のように聞こえるかもしれませんが、実際に始めてみると「安心」が大きかったです。
物を整理して、気持ちも整理して、今やるべきことが明確になった気がします。
今では、「子どもに迷惑をかけない」ではなく、「自分の最期を自分で決めたい」という気持ちで取り組んでいます。
これからの人へ:終活は「自分らしく生きるための準備」

終活は「死の準備」ではなく、「生き方の整理」だと感じています。
私のように高齢になってからでも、何歳からでも始められます。
何から始めていいかわからない方は、まず「誰かと話すこと」から。
それが、きっと第一歩になります。